7月28日(日)さいたまスーパーアリーナで行われた「超RIZIN.3」で。RENAがケイト・ロータスと対戦。TKO勝ちを収めた。RENAは2015年12月31日に開催された「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYS」に参戦して以来、9年間に渡って参戦し続けている。シュートボクシングの王者という実績を引っ提げて参戦したが、参戦当初からファンの厳しい目線に晒されてきた。2017年に開催された「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND」、翌年の「RIZIN.11」では浅倉カンナに二度も敗北。一方でバラエティなどテレビに露出をし、RISIN女子部門の顔として認知されている。華はあるけど、MMAの実力・・・・と言われることもあった。

今回の対戦相手であるケイト・ロータスは華を備えた選手だと言えよう。美人選手として注目を集めているが、11戦5勝6敗とそこまで実績がある訳ではない。しかし、そのビジュアルには注目が集まることも多い。

ケイトについて、前日記者会見でRENAは「華はあるけど、実力がというのは私も言われてきたことなので」とケイトを思いやるような発言を見せた。ケイトとRENAのやり取りはメディアでも報じられているが、前日記者会見で見せたのは話題先行のケイトを先輩として見つめる視線だった。

RENAがRISINに初参戦した2015年に比べると、2024年はどうなっているだろうか。たしかに新しい選手も出てきている。伊澤星花やパク・シウなど新世代が台頭している。しかし、華のある選手はと言われると難しいのが現状だ。伊澤はYoutubeチャンネルを運営し、話題を提供しているが、それでもRENAと比べて、話題性があるかと言われると難しい。ファンが伊澤に惹かれるのは話題性ではなく、その実力だろう。この点でRENAとは全く違う。とはいえ、これはあくまでも結果論に過ぎない。最初から華を備えている選手もいるが、実力を証明し続けることで華を獲得してきた選手もいる。

そもそも女子格闘技を取り巻く状況が2015年とは大きく変わっている。UFCもONEもスターの一強から複数の実力者の対戦へと変化していった。UFCはロンダ・ラウジー、ONEはアンジェラ・リーが居なくなった後、絶対王者と呼べる存在はいなくなっている。一般人向けの分かりやすいストーリーよりもコアなファンに向けてのストーリーを展開している。

日本においても同様だろう。折しもRENAが勝利した同じ日朝倉未来が敗北し、その翌日には引退を表明した。すんなりと引退に進むかどうかは分からない。しかし、RISINが進めてきた路線の転換点に立っていると言えよう。

今回、ケイト・ロータスに勝利し、チャンピオン戦に向けて新たな一歩を踏み出した。その一方で、いつまで現役を続けるのかという問題もある。前日記者会見でも「もっと前に引退するつもりだったんですが」と笑い交じりに語っていたが、以前のRENAはRISINは自分が背負わなくてはいけないと、どこか追い詰められているような表情を見せることもあった。しかし、現在は余裕を見せる場面も増えている。これからRENAがどこに向かっていくのか、興味深くおっていきたい。

投稿者 GB